作戦通りに動いてもらわなければならない。
そうでなければ、自分は強さを発揮できない。
そうでなければ、自分の秘密を知られてしまう。
確実な
確執と
隠し事
何年振りだろうか、とは目の前の顔を見て思った。
「お久しぶりです、門外顧問」
軽く頭をさげれば、何処か傷ついたような目をした。
「・・・ああ、久しぶりだな」
それだけいうと黙った相手には、用がないのなら呼び止めないでもらいたいものだ、と心の中で呟いた。
「元気に、してたか?」
「任務は問題なく遂行しています」
硬い言葉に、家光は顔を顰めた。
「・・・ツナは、元気か?」
「十代目にお会いになればわかるのでは」
もっともな言葉に、家光は困ったように頭をかいた。
「あまり僕といるところを見られたくないのではありませんか。用があるのなら、早くいってください」
の刺々しい態度に、家光は困ったようにを見た。
「心配しなくとも、十代目は何も知りませんし、疑ってもいません」
何を、とはいわなくても通じるその言葉に、家光は目を見開いた。目の前の少年の格好をした少女は、無表情なままだ。
「僕もいうつもりはありません」
それがお前が望みだろう、といわれているような気がするのは自身の罪悪感がそう思わせるのだろうか。家光はから視線をそらした。
「最近は、休みの日とか、何してるんだ?」
「貴方には関係のないことです」
「・・・」
切り捨てられるような言葉に、家光は悲しそうな顔をした。その顔を見て、の目は冷やかになっていった。何故悲しそうにするのだろうか、と。
「たまには、飯でも、行くか。うまいもん、おごってやるよ。どうせろくに飯も食ってねえんだろ」
その言葉にの目が家光を睨みつけた。
「・・・今更、父親面するな」
低い声で告げた相手に、家光は息を飲んだ。
「本当に、十代目や周りの者にばれたくないのなら」
ぎらぎらと殺意すら抱いているような目をしたに家光は目の前が暗くなった気がした。
「もう二度とかまうな」
UP 06/01/14