【愛しい幼馴染】
「・・・?」
「アスラン・・・」
「どうしたんだ?」
何故か庭の中心で座り込むを見ると悲しそうな眼で俺を見上げた。
「アスラン!」
「えっ、わっ!」
突然、が抱きついてきて、その勢いで後ろに倒れこんでしまった。ギュッときつく抱きついたままのの顔は見えない。
「?なんかあったのか?」
「アスラン・・・」
少し震えるをそっと抱きしめ返す。
どうしたんだ・・・?何かあったのか・・・?
「アスラン・・・」
「ん・・・?」
「置いて行かないで・・・」
「え・・・?」
目が合うと、の目に涙が溜まっている事に気付いた。
「私を嫌いにならないで・・・」
「の事が嫌いになる訳無いじゃないか」
いつもと何だか様子が違う。ふるふると首を振るとギュッとまたきつく抱きつく。
「怖い夢を見たの、アスラン・・・」
怖い夢?それに関係してるんだろうか?
「一人ぼっちになるの・・・キラもアスランも私を置いて何処かに行ってしまうの・・・」
いつも落ち着いていて、大人っぽいが何だかずっと小さく見えた。
そんなを守りたいと思った。
「大丈夫だよ、。俺は何処にも行かない。を守るよ」
大好きな君を絶対に守ってみせるよ。
本当に?と聞くに、もちろん、と頷いておでこにキスをする。
「アスラン・・・」
「を一人になんかしない。約束」
細い小指を自分のと絡めて笑うとも少し微笑んだ。
「嘘吐いたら針千本飲んでよ?」
「それは、怖いなぁ・・・」
クスクスと笑うと、ありがと、とが俺の頬に唇をあてる。
大切な君を一人になんかさせない。
俺が君を守ってみせるから。
だから笑って欲しい。
愛しい 愛しい 俺の幼馴染。
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