【彼女の隠し事】
「結局、この艦は何処に向かってるんですか?」
キラの問いにフラガは地球連合軍基地のアルテミスだという事を告げた。
「アルテミス・・・」
これはまた面倒な場所に・・・
顔を一瞬歪ませたに誰も気付かなかった。
「でも上陸許可下りますかね?」
軍人の一人が首を傾げるがマリューは、そう願うしかない、と告げた。
「あ、っ」
は彼等に背を向け部屋を出て行くとその後をキラは慌てて追いかけた。残されたアークエンジェルのクルー達は不思議そうに首を傾げた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「?どうしたの?」
「何でもないよ、キラ」
心配そうなキラを安心させるようにが微笑んだ。
「本当に?」
「本当に。もう、心配性だなぁ、キラは」
クスクスと笑うにキラは複雑な顔をした。
「子ども扱いしてる?」
「してないよ」
まさか、と大袈裟にするにキラは頬を膨らませた。
「してるじゃないか」
「してないよ。キラはいい子だもんねー」
「それが、してるだろ!」
ひどい、というキラには笑った。そんなの笑顔にキラは少しホッとした。
、最近変だと思ったけど・・・よかった。
「ねえ、キラ」
「え?」
突然抱きしめられたキラは少し驚いた。
「?」
「好きよ、キラ・・・・・・」
の言葉にキラは恥ずかしくなりながらもの肩に腕を廻した。
「僕も、が好きだよ・・・」
ギュッと力を入れたキラに答えるようにも少し腕に力を入れた。
「ごめんね・・・・・・」
小さくが呟いた言葉をキラは聞き取れなかった。
「え、何?」
何でもないわ、と小さく首を振ったをキラは不安になっているんだろうと思い、大丈夫だよ、と笑った。そんな優しいキラにはホッとし微笑んだ。
「キラ」
「ん?」
「私がキラを絶対守るから」
その言葉に目を丸くするとキラは苦笑した。
「できるなら僕が守るって言いたいんだけど」
「うん・・・ごめん・・・」
クスクスと笑って、キラが軽くに口付けた。小さく謝った彼女の言葉の意味を彼は知らない。
『貴方に隠している事があるの。』
UP 09/03/05