【困惑と混乱と】
「なんだったの・・・?今の」
「さ、さあ?」
残されたルナマリア達は顔を見合わせた。
「がオーブに居たって話あったっけ?」
「ないわね」
「ないよな」
メイリンが首を傾げると、ルナマリアとヨウランがきっぱりと言った。
「でも知り合いみたいだったけど・・・?」
ヴィーノの呟きに再びルナマリアが唸った。
「うーん・・・あ、そうだ。レイ、アンタなんか知らないの?」
ルナマリアの問いに皆の視線がレイに向いた。
「・・・がオーブに居たという話は聞いた事がない」
レイの答えにメイリンが首を傾げた。
「でも、アスハ代表の方が『生きてた』って言ったよね?」
「そういえば・・・」
「生きてたってどう言う事なんだ?」
ヨウランが再び問うと揃って首を傾げた。その中、レイは一人何か別の事を考えるように眉を寄せた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「シン」
「・・・」
部屋でベッドの上に座って居たシンが顔を上げた。少し悲しそうなの表情にシンは困惑した。
「?」
「シン・・・」
ゆっくりと近づいたはシンを抱きしめた。
「・・・」
自分を抱きしめるの背にシンも手を添えた。
「アイツ等が、殺したんだ・・・」
ギュッとの服を握った。
「マユや母さんや父さんを・・・」
「シン・・・」
苦しそうな声で告げるシンの言葉には胸が締め付けられるような想いだった。
もし、私がカガリ・ユラ・アスハと親しい仲だったかもしれないって言ったら、貴方はどう思うかな?憎む?貴方が彼女を恨んでいるように?悲しむ?貴方が彼女に家族を奪われたような形になったように?
「俺は、もう大事なものを奪われたりしたくない」
「うん・・・・・・」
「を絶対守ってみせる」
「シン・・・」
痛むほどに力強く抱きしめるシンに、は泣きたくなった。
「もうあんな事、許さない」
そして、シンを抱きしめる腕に力を入れ、シンに聞こえない程の小さな声で呟いた。
「ごめんね・・・」
貴方を裏切る事になるかもしれない私を許してくれますか?
UP 06/24/05