「お疲れ様です」
「どうも。そうだ、アスカ達ならあっちで休んでますよ、さん」
「有難うございます」

すれ違ったクルーに微笑んだ後、すぐに私はシン達のいる場所へ向かった。



【マナザシ】



「シン、レイ、ルナ!おかえ―――!」

シンやルナ達の気配を感じて少し早歩きで部屋へ曲がった。いつもなら喜んで挨拶をするシンが、怒った空気を纏って何も言わずにすれ違った。

「えっ・・・シン・・・?」

どうして?

一瞬唖然としたけれどすぐに振り返ってルナやヨウラン達を見た。いつも明るいヴィーノさえ少し俯いていて、皆いつもと違う空気を漂わせていた。

「あら?・・・ルナ、貴方またシンと喧嘩したの?」
「なわけないでしょ・・・ひどいよ、!」

ムッと唇を尖らせて拗ねた顔をしたルナに、ごめんごめん、と苦笑した。

「そんな・・・・・・・・・?」

聞き取れなかったけれど確かに声がした方を見た。

深緑の瞳と紺色の髪。

「あら」

橙色の瞳と金色の髪。

カガリ・ユラ・アスハ・・・さっき艦内の通信でミネルバに乗ってるって言ってたっけ・・・

「失礼いたしました。ですが、私はこれで」

まるで何か信じがたい物を見ているような四つの瞳。アスハ代表が口を開こうとしたのを遮ってレイに声を掛けた。

「レイ。悪いけど、後はお願いね」
「ああ」
「ルナもレイも、無事に帰ってきてくれてよかった。お疲れさま」
「うん。ただいま、

嬉しそうに笑うルナを見て、ヴィーノとヨウランとメイリンにも、お疲れさま、と言うと私はその部屋を出た。

「あ、待―――!」
「それでは失礼いたします」

アスハ代表が言いかけた言葉を遮って、シンを探すため部屋を出た。

「シン・・・・・・」

目を閉じると感じる気配。シンは私と反対の方向にいる。気配を感じるという事は探して欲しいと思っている証拠。
オーブで権力のある父を持ち、その意志を受け継いだカガリ・ユラ・アスハ。オーブで中立の立場を保ち、自ら死を選んだウズミ・ナラ・アスハ。オーブで家族を失い、プラントに来たシン・アスカ。

「どうして・・・・・・?」


何故貴方達は私を知っているような眼をしているの?




UP 04/23/05