【幸せの時間】
「あ、・だ」
「えっ?あの『女神様』?」
「そうそう」
二人の整備士達はノートを抱えて歩く少女を見ていた。
・。
軍の中で私服を着る彼女はとても目立った。
容姿も美しく、階級も高かった。
は、MSのパイロットとしても優秀で本当に完璧といってもよかった。
しかし、自分の能力を自慢せず、皆に優しく接する為、とても人気がある。
そんなの一番親しい友人達は紅服のエースパイロットと技術スタッフ達。
「ー!」
「こっち、こっち!」
手を振って位置を教えるルナマリアとヴィーノには微笑んだ。
「遅いよー、!」
「ごめん。ちょっとデータ整理に時間掛かっちゃって。」
謝りながら皆を見るとはムスッとしたシンを見つけた。
「シン?」
不思議そうな顔で名前を呼ぶが何も返ってこない。
そんな二人を見たルナマリアが少しからかうようにに告げた。
「シンはが遅いから拗ねてるんだよねー。」
「え・・・」
「そうそう。が遅いってさっきからずっと言ってたしね。」
ヨウランが横から意味ありげな笑みを浮かべながら付け足した。
はシンを覗き込むように微笑みを浮かべながら謝った。
「ごめんね、シン。」
「・・・・・・別に。」
相変わらず横を向いたまま拗ねた口調にはもう一度謝った。
「ごめんね?」
「何もなかったからいい。」
「うん。」
ニコリと笑みを見せるとは、ようやく座った。
「今日の演習はどうだったの?」
「それがさー!聞いてよ、!私、レイに負けたのよ!」
「そうそう!それが、超ウケたんだよなー!」
「何が?」
「ルナマリアこけたんだよ。」
「うるさい、ヨウラン!余計な事いうな!」
悔しそうに叫ぶルナマリアにヨウランが笑いながら言った。
はそんな二人を穏やかな笑みを浮かべて、そう、と続きを聞いた。
レイに目をやれば、何度も叫ばれたらしく、またか、と溜息を零していた。
「レイは強いのね。」
「あー!、ひどい!私だって強いのよ!」
レイに目をやってニコリと笑うとルナマリアが叫んだ。
そしては、興奮して立ち上がったルナマリアに目を向けた。
「わかってるよ。ルナもシンもレイも強いからその紅が着れるんでしょう?」
大好きなの優しい笑顔にルナマリアも気が落ち着いたらしく、うん、と座った。
「シンはどうだったの?」
「とりあえずルナマリアには勝った。」
「ひっどーい!何よ!レイに負けたくせに!」
「・・・ルナマリアみたいにこけてないし。」
再び興奮しだすルナマリアを落ち着かせるようには、次があるじゃない、と言った。
まるで母親のように宥めるを見てヴィーノが言った。
「ってお母さんみたいだよね。」
「「は?」」
「え?」
声を揃えてルナマリアとシンがヴィーノを見た。
は、何で、と不思議そうな顔で首を傾げた。
「ルナマリアとシンの兄弟喧嘩をとめようとするお母さん。」
「確かに。」
ヴィーノの言葉にヨウランは、うんうん、と頷いた。
そんな言葉にはすこし複雑そうな笑みで、そう?と問うた。
「それでレイは、めんどくさそうに喧嘩を見るお父さん。」
「「ぶっ!」」
さらに足された役割にシンとルナマリアは噴出した。
さすがのレイも驚いたらしく、げほ、と飲んでいたドリンクでむせた。
は目を丸くしてレイを見た。
「大丈夫?レイ」
「あ、ああ・・・」
レイの背中に軽く手を添えながらは問うた。
そしてクスクスと笑った。
「?」
「ご、ごめんなさい」
笑いが止まらなくなってきたは少し目に涙を浮かべながら謝った。
「なんか、こんな家族だったら楽しいだろうなぁ、ってね。」
「えー!いや!レイの娘なんて!」
「レイが父さんなんて嫌だ。」
「俺も子供は要らない。」
クスクスと笑いつづけるにルナマリア達は笑うな、と拗ねた。
話題を変えると再び表情豊かなルナマリアは色々な反応を見せ。
シン達も楽しそうな声を聞かせた。
楽しそうな時間はあっという間に過ぎ、皆自分達の仕事へ戻った。
は、全員を見送ると外に出て、作られた青空を見上げた。
出来る事ならば、幸せな時間を永遠に。
UP *date unknown*