【嘘みたいな本当の言葉】
目の前で細い指でスラスラと丁寧な字を書いてく。
長い睫毛で縁取られた目は少し伏せ目になってる。
サラサラと長い髪の毛は四葉のクローバーの柄が入ったピンで顔にかからないように留められてる。
私が男だったら絶対に惚れてると思う。
「ねぇ、」
「なぁに?ミリィ」
顔を上げずに聞く声はとても優しい。
キラとは幼馴染らしいんだけど、そばから見ていると恋人みたいで。すっごくラブラブに見えたんだけど・・・
「今日ね、トールが言ってたんだけど・・・」
『ミリィ、聞いたか?キラってフレイの事が好きらしいんだ』
内容が内容だけにいうにいえない・・・
思わず溜息が出そうになる。
「トールがどうかしたの?」
中々続きを言わない私を不思議に思ったらしいが顔を上げてた。
「あ、いや、その・・・」
綺麗なブルーグリーンの瞳が少し心配そうにな色を浮かべた。
いや、私とトールの事じゃないんだけどね・・・
「トールと何かあったの?」
「ううん!そうじゃないの!」
字を書いていた手を止めて私をジッと見るに慌てて否定した。
「・・・その、とキラって付き合ってるの?」
きゃー!思い切って聞いちゃったよ!どうしよう!?が怒ったら!
内心ドキドキする私がそっと目を開けると、はキョトンしていた。
「あ、あの・・・?」
「え、あ、ああ、ごめん。まさかミリィがそんな事聞くとは思わなくて」
びくびくする私には苦笑を浮かべて、言った。
「そんな怒ってる訳じゃないんだから、びくびくしないでよ、ミリィ」
「あ、ごめん・・・」
「だから謝らないでよ」
コーヒーを一口飲むとは続けた。
さっきの苦笑いと違って、少し自嘲気味な笑みを浮かべて。
「キラと私は恋人な訳じゃないの。」
「え・・・」
「キラと私は幼馴染だし、仲もいい。でもね、恋人までは行かないの」
の言葉に驚いた。
何度か二人がキスをするところを見た事があったし、抱きしめあう所も見た。
特にヘリオポリスからアークエンジェルに乗った今ではコーディネーター同士だし、いつも一緒に居るような気さえする。
その二人が、恋人じゃないって言われて納得できる訳が無い。
それにアークエンジェルに乗る前だって、二人は恋人みたいに仲が良かった。
「友達以上、恋人未満って奴よ。」
の切なそうな眼にこれ以上聞いたらいけないような気がした。
「そう、なんだ・・・・・・」
「そ。キラはフレイに憧れてたみたいだし。キラが幸せなら私はそれでいいわ」
の言葉にハッとしたら目が合った。
キラが幸せならいい・・・?
と一緒じゃないのに?
「・・・は?」
「ん?」
そんな切ない目をするのに?
「はキラが好きなんじゃないの?」
私の質問には数回瞬きをすると、とても切なそうで綺麗な笑みを浮かべた。
「皆が幸せなら、私も幸せよ」
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