【弱虫】



キラは上のベッドで眠ってサイ達はどこかに行ってしまって、俺はベッドの上に座って目を閉じたを見た。はヘリオポリスでトール達に紹介されて会った。綺麗で可愛い女の子。好きだとも思った。
でも、まさかとキラがコーディネーターだとは思わなかった。綺麗な髪も眼も遺伝子を操作したから出来た物なのか?

「怖い?」

突然綺麗な声が問い掛けた。ビクッと肩を揺らすとゆっくりと目が開けられた。

「私が怖い?」

優しい微笑みを浮かべたままが問う。が怖くない、と言ったら嘘だ。俺はあんなに仲良くしていたが少し怖かった。

「カズイは、コーディネーターの私が怖い?」
「俺は・・・・・・」

の微笑みがとても悲しそうな笑みに変わった。

「怖がる気持ちもわかるわ。でもね、カズイ」

とても優しい穏やかな表情では俺を見た。

「コーディネーターも生きているの」
「え・・・」

当たり前な言葉。でも俺はその言葉に重さを少し感じた。

「ナチュラルも、コーディネーターも一緒よ。だから、コーディネーターだから、ナチュラルだから、って怯えたりしないで」

優しい声音で告げられる言葉。それは当たり前な事。でも、それは当たり前じゃない事。戦争のど真中に無理矢理くる事になって気付かなかった事。

・・・ごめん・・・俺・・・」
「謝る必要ないわ。そう言う風に思い込ませるのが軍人だもの」

中立国に居たんだからわからなくて当然よ、と言いながらもの目は寂しそうだった。
この戦争はナチュラルとコーディネーター同士のもの。でも、中立国にいた俺は何も関係ないと思っていた。今まで考えた事も無かった事。
何で俺はが怖い?コーディネーターだから?ナチュラルじゃないから?MSに乗って戦ったから?
自分の弱さに嫌になった。それでもは俺に笑顔を見せてくれる。



「カズイ、トール達が休憩だって。」




UP 03/13/05