【残骸の中で】
私達はラミアス艦長にブリッジに呼ばれた。
そこで突然告げられた言葉、補給を受けられる。
こんな宇宙の真中で何処でだろうか、と私は不思議に思った。
「補給を受けられる?」
「ええ。」
「何処で・・・?」
怪訝な顔で問うと艦長とフラガさんは気まずそうな顔をした。
「まあ、受けられるって言うか・・・セルフサービスっていうか・・・」
困ったようにフラガさんが言うと、眉を寄せた。
一体何処の話をしているんだろうか、と。
「私たちは今、デブリベルトに向かっています」
その言葉に私は自分の耳を疑った。
今、なんていった?
ギュッと拳を握って艦長達を見た。
「デブリベルト・・・?」
皆が考えるように呟くと、私は心の中で自分の予想が外れている事を願った。
そして、サイがハッとした表情に変わって声を上げた。
「ちょっと、待って下さいよ・・・まさか・・・!」
「さーすが。君は勘がいいねぇ〜。」
僅かに苦笑を浮かべた表情のフラガさんがふざけるように言った。
そのことによって私の予想は外れていない。
そして未だにわからないミリアリア達のために艦長が説明した。
「デブリベルトには、宇宙空間を漂う様々な物が集まっています。其処には、無論、戦闘で破壊された戦艦などもあるわけで・・・」
驚いた様にトール達が目を見開いた。
「まさかそこから補給しようと・・・?」
「仕方ないだろ?そうでもしなきゃこっちがもたないんだぜ?」
フラガさんの言葉に艦長が足した。
「貴方達にはポッドでの船外活動を手伝ってもらいたいの。死者の眠りを妨げるつもりはないわ。ただほんの少し失われた物の中から必要な物だけを分けてもらうの。」
生きるために、といわれ私たちは仕方なく頷いた。
キラはストライクに乗り、私はフェリスに乗った。
闇の中にポツリポツリと見える艦の残骸。
次第にその数は増していく。
そして、見えた信じがたい光景。
「うそ・・・」
唖然とさせる、残骸。
「どうして・・・?」
目の前に広がった凍った大地。
「そんな・・・・・・」
本来ならば美味しい作物を育てる為に作られた、優しい大地。
「ユニウス、セブン・・・」
二十四万三千七百二十一人が一瞬で消えた大地。
真っ白になった頭の中、唯一理解できたのは通信から聞こえるキラの声が、ユニウスセブンを見つけたという報告をしたことだけ。
UP 09/25/05